Sepia Records

観劇鑑賞感想レポメモ ネタバレ

舞台版『心霊探偵八雲 祈りの柩』

2015/02/18昼(14:00~),21夜(18:00~/前楽) 新国立劇場 小劇場


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原作未読
すごいよかった。
ほんとあー良かった……ってなっちゃうような舞台。今回は特に。それで終わっちゃういい意味で。ろくなこと語れない。語るような舞台じゃないんだろうな。つまり観た側がしのごの語れる隙がないってことだと思う。
神永先生も丸茂さんもマサミさんもほんとお見事としか言いようが無い
素晴らしい舞台でした。


二回ともサイド席
初回は上手最前最端 二回目は下手2列端から2番目
ちょうど分かれたから両サイドから観られて嬉しかった!
18は首ひん曲げながら上手袖近くの八雲を見てた
サイドだからこその楽しみはすごくあったけど、やっぱ正面から見た配置とか絵面の作り方とか、きっとマサミさんならではで拘ってるところが観られなかったのは悔やまれる

いつわりのときも思ったんですけど、音楽と照明だけですら泣かせにかかってくる
こう、全身にぶわっとくる、って表現するのが一番しっくりくるんですけれども。
あの感覚が大好きだ

セットが素敵!
神秘的だけど謎めいてて不安になるような、でもやっぱりどこか神々しささえ感じてしまうような、そんな絶妙なバランスの造形
セット自体が素敵なだけじゃなく使い方も上手い
貴俊と亮が上手下手の回転装置に分かれてて回るところが好き
5分前アナウンス流れたタイミングでスモークもこもこ来てた(笑)

秀敏さんの八雲すごく素敵だった
さらに落とし込んできたし、技術的な意味でもとても変わってた
台詞回しが滑らかになってる
いつわりの樹のときよりも、役をものにしてるかんじがしました。その存在感で黙れる八雲になってた。やっぱり秀敏さんの八雲が大好きだ

安西くんが主役食ってる!みたいな前評判を目にしてたんですけど、八雲ってそもそも八雲が事件の主人公じゃない。
良い語り手……というよりかは繋ぎ手というか。
事件に関わるひとりひとりが主人公で、それを繋げて真相を提示する立場だから、食ってるもなにも少し違う位置に立ってると思う。
今回の事件における主人公は、確かに賢人だった。
でも八雲がしっかりと軸としてあることで、それぞれの物語が語られて全部繋がっていくっていうことこそが八雲の物語であって。
やっぱり主役は八雲なんだなあ、なんて思いました。
そしてその軸となれるだけ、秀敏さんの八雲は土台をしっかりさせてきてたなあ

八雲の声のトーン、前半と後半で全然違う
前半はどこか調子っぱずれたような、高めの声で喋っている。それがそぐうだろうコメディシーンに限らず。
けれど後半推理パートが始まってからは、真相を示すに足るだけの淡々とした冷静さと言いますか、聞き入ってしまうだけの静かな迫力がある喋り方をしていた。
この差がとてもいいなあと思いました

どうしても八雲の首~肩回りに視線が吸い寄せられる(笑)
あの衣装はずるい……シンプルイズザベスト 純粋にかっこいい

加恋ちゃんの晴香すごくかわいかった!
今回の話では、晴香はあんまりヒロインしてない。でもちゃんと八雲の傍にいて、後ろについてきてくれる
名前も呼ばないで「行くぞ」って八雲に言われて後を追うっていう二人の信頼関係というかなんというか、変な意味ではなくもうちゃんと出来上がってるのが伝わって来る
上手で鏡湧泉に手を入れて水を掻きまわすところ、18日真横だったからどきどきしました

今回の八雲においてある意味主人公だった賢人。
とにかく安西くんが凄かった。
なにか言おうとしても凄いって単語ばっかり出てくる……
テニミュキャストなんて肩書きすっとんだところで安西慎太郎って役者が凄いと思いました。勿論決してミュキャスをでぃすってるわけじゃない
初見の終盤、気付いたら賢人に釘付けになっていた。
この人の芝居をもっと見たい、って心から思わせてくれるような凄まじい演技でした。素晴らしい役者だ……

安西くんの演技、全体を通した芝居の波の脚本がちゃんとある、ように感じました。
最初の八雲に依頼を持ち込むところから、どちらの心配をしているんですか?と指摘されるところ、姉さんが死んだことを知って崩れ落ちるところ、貴俊を突き放すところ、共犯を指摘されたところ……
きりがないのでこの辺で止めますが、最後の最後に至るまでにたくさんの段階があった。今途中まで挙げた部分だってとてもざっくりとした区切りで、それでさえこんなにある。
本当の最深層に辿り着くより手前に、全く異なった感情の昂ぶりがいくつもある。
賢人の一番奥の部分は、本人でさえ蓋をして記憶を改竄していたんだから尚更。
このときの賢人はどこまでわかっていて、その上でどこまでを表に出しているのか。一観客がざっと考えただけで途方もない複雑さ。
その複雑な賢人という人間を、その時点その時点に合わせてほんとうに細やかな演技をしていた。ひとつひとつが繊細な違いでありつつも、全体を通して見た時に一本通った波がちゃんとあった。
本当に凄いなとしか言いようがない……
ぐだぐだと語っておいてなんですけど、これは後から思い出したらこうだったなあ、と気付いたもの
実際観たときは、ただただ凄い、としか言えなくなる衝撃を与えてくれるような、訴えてくる力があった。
語っちゃうと陳腐になっちゃう、何も言わずにとにかく観てほしい。って言いたくなるような演技でした。
素晴らしい演技をありがとうございました。

叫びが圧巻……
18日上手、目の前でへたりこんで、伏せた顔を歪めてぶるぶると震え泣く賢人が忘れられない

ましゅーの演技を観るのをすごく楽しみにしてた!
貴俊とてもよかった!!
良かったんだけど!今までにない今までにない!って何回か本人言ってたのを見てて(インスタグラムとかかな)そんなに違うタイプの役なのか……!って期待しちゃってたんで、わりと桃ちゃん先輩の延長線上にあったね…?ってなっちゃいました(笑)勿論違う役柄ではあるんだけども
貴俊は柄が悪いというよりは現代っ子だな~という印象
この本編だけだとなんだか憎めないかんじですけど、やってることは憎めないじゃ済まない

序盤、教会の幽霊に怯える貴俊がいい顔してた でももっといけそう
亮を苛めるシーンの勢いがとても良かった 容赦ないのすごく好み

とんちゃんすごく頑張ってた……!
亮はストーリー上あんまり出て来ない印象だけれども、最後の最後の鍵で。頑張ってたけれども、やっぱりあの面子の中だと演技がんばって……!!ってなっちゃうかな……
でも21夜は、声のトーンの起伏がついてて!声での演技が良くなってた ここ数回だけで変わってる!ってびっくりしました……!まだまだ伸びる
とんちゃんとても好きだからこれからも楽しみにしてます

パンフの対談でも話に出てたけれども、捌け方がテニミュ(笑)
とんちゃん苛められっ子めちゃくちゃ似合う

だいきっちゃんの石井が大好き
今回はすごく重い話だったからこそ、石井の存在がとてもありがたかったし、ちょっとほっとできて良い小休止になってた
だいきっちゃん暗転しても袖入るまで芝居続けて、ごにょごにょ喋ってるの聞こえるし表情もばりばり動いてる
だいきっちゃん独特の存在感ありますよね 好きです

広樹さんとても素敵だった
声優としてなら色んなところでお見かけしている広樹さん、とても芸達者だなあという印象があった。しかもまたいつも達者具合が狡い
俳優としての広樹さんを見るのは初めてだったのでとても楽しみにしてました。
桐野は色んなものを背負って、抱えていた人。それでいて抱えたものを隠していた、というか表に出せない不器用な人。
教会で思惑を伏せながら淡々と話している姿から、その真意が何も見えないのは一種の怖ささえ感じました。この人何考えてるんだろう……?っていう。
このシーンでこれを感じるのはストーリー上相応しい
やっぱり一番は、久美との回想シーンで感情を吐露する姿がすごく印象に残っています。
耐えていたものが一気に崩された桐野の、感情が剥き出しになるというより崩れ落ちている、そんな演技が素晴らしかった

パンフ対談女子組の、秀敏さんと安西くんの消費税のくだりめっちゃつぼった(笑)
2回目該当シーンを観たとき頭をよぎってしまう罠

賢人が姉の話を始めるシーン
晴香「お姉ちゃん……」
今回は八雲スルーなのか
いつわりではすっと視線送ってましたよね?っていうことはスルーした理由がちゃんとあると思うんですけど
すでに賢人に照準を絞って、集中して観察してるからなのかなあ

刑事コンビのなんとも言えないシーンに遭遇した八雲
八雲「お邪魔しましたぁ」
ずるいと思いながらめちゃくちゃ笑ってしまったwwwww

桐野が施設に行って、久美に謝り倒して崩れ落ちるところで泣きました
罰されないことが最大の罰っていう桐野の苦しみと、それでも赦すどころか赦さなきゃいけないことなんてないって久美の美しすぎて眩しすぎる心
桐野の苦しさがほんっと伝わってきすぎてつらい。すごかったなぁ

八雲が聖櫃を指摘するシーン
視点の変え方が見事
四角い白いライト、これが聖櫃を表している。
これがすっと張り出し手前に動かされて。次のシーンでは、段上中央に聖櫃が置かれて、人物の配置が手前奥逆になっている。
こんな鮮やかな視点変換があるのか……!すごい!

久美「もういいのよ」
クライマックス 久美に抱き締められる賢人
ただただぼろぼろ泣いてしまった

八雲「あの死体は美しすぎたんだ」
この台詞が引っ掛かってたんですけど、あれはあえて死体って言ってたのかなあと
美しすぎたのはやっぱり心かな
でもあの人の心は美しすぎたんだって言うと嘘臭くなる
だから死体って、生を手放した、人間ではなくなったものを指して美しすぎたと言ったのかなあ
久美の考え方は、人間臭さが無いほどに清らかだった。いっそ気味が悪くなってしまうぐらい、美しかった。
暗に人間じゃない、と。そんな意味合いがあるかもなあと思いました。


【18昼】
刑事コンビのジェスチャー通訳
いつわりでもやってた日替わり、今回もあった!
石井「箱を開けたら、お金がどっさり」
のどっさりでわぁ~!って両手広げて軽く上げて驚いてる後藤さん可愛い


【21夜/前楽】
OPの賢人
四人、白い布被ってる中で一人前に倒れ込むのが賢人
マサミさんよくOPでえらいネタバレしてない!?www
とんちゃん背丈的な意味でさすがに目立つ

今回も部屋で八雲が冷蔵庫?開けているような仕草があるんですが、どうも何をしてんだかさっぱり
手前に引くタイプ、高さ低めの扉を開ける

中身物色(そんなに覗き込んだりはしてない)

引いた扉裏側あたりにあるものを摘まんで目の前に持ってくる

ぽーーーーーい!!!!(°°)!?!?
自分の後ろに投げ捨てる

なんで投げ捨ててんの?(笑)
そもそも何を出してたんだろう……あれ冷蔵庫じゃないのかなぁ
18でもやってました

晴香ちゃんの横腹攻撃
八雲と晴香ちゃんのやり取り部分、二回とも横腹攻撃されて八雲が腹抑えて負けてた

取調室、下手段上
殴られた頬を気にする貴俊
口を横に広げるって言うんですかね……?口周りを動かしたり、手で擦ったり いい表情してた

貴俊の取り調べ回想で寝る八雲
下手の段下、段に凭れてこっくりこっくり……
時々横に倒れそうになってはぶわっと持ちなおして薄目を開ける……も、やっぱりこっくりこっくり……
段上では刑事コンビと貴俊が話を進めてるのに!
真横が八雲だったんでガン見してしまった笑いそうになった

刑事日替わり部分
今度は通訳じゃなかった!
後藤さんを止める石井、だったはずがどんどん身体を張った止め合いになり……
なんだかわかんないけどひたすら投げ飛ばしあいまくっているwwww派手に転げ回ってるwwww
八雲の止め方もなんか語気が強かった
八雲「馬鹿が増しましたか!」

佐和子にとり憑いた幽霊がお姉さんだと思ったんじゃないか、ということを八雲に指摘された時の賢人
瞬きを一切しないで八雲を見ている
八雲から視線を外して下に目線を落とすまで一切瞬きしてなかった

八雲「恋に落ちるのに~」のシーン
賢人の表情が凄かった
このときの賢人、最上段に立つ久美と桐野を見上げてて、客席に完全に背を向けてるんでサイドじゃないと全く見えないと思うんですけど、痛々しく歪めた横顔

とり憑かれた佐和子の意識が戻って狼狽えているシーン
張り出し側での佐和子と賢人、意識は佐和子なのに手が賢人の頭の低めの位置を撫でようとしている

佐和子の意識が途切れる

ここの賢人を撫でようとする手つき、久美が賢人を撫でるときの手つきそのまま
加えて、教会で自らの首を切りつけた桐野が賢人に伸ばした左手。ここでも全く同じ手つきをする
このリンクが見事でした……ぞわっときました

石井が後藤さんに桐野の最後の言葉を伝えた後
手前で本筋やってる後ろ、下手側の段上で、いつのまにか石井ちゃんが自分の膝抱えて段に座ってたのが印象に残っている

ラストの貴俊と亮
貴俊が亮に頭を下げるんですけど、亮はただそれを見下ろしている。
貴俊の表情からも、亮の表情からも何も読み取れない。
亮があからさまに何か反応するわけじゃない、っていうのがいいなあ。ただ目の前の貴俊の行動を見ている。レスポンスは返さない。
頭を下げた貴俊も、謝罪とか申し訳ないとかそんな明確な気持ちじゃなくて、でも何かしらしないと気持ちの整理がつかなくて、それでこの行動を選んだんじゃないかな。
だからどんな顔をしていいかわからない、というか表情にわかりやすい感情は出て来ない。
貴俊はこの先どうするんだろう。
関係なかったのにすごい巻き込まれ方をしてしまって。
この事件が貴俊に与えた影響はどんな方向に向いて行くのか、ラストシーンからは読み取れなかったなあ
それが悪いという意味じゃなくて、読み取れないようなラストだったなあという話